子猫が初恋提供します。
「……《恋》……?」
嵐に詳しく説明を受けた俺は、可愛いにゃあを思い浮かべて…
またやってきた胸の痛みにそこをぎゅっと押さえた。
「そのとおり……!
しかもおまえの場合、何を隠そう《初恋》だ!!」
「《初恋》…。」
こんな苦しいのが?
今までまるっきり女に興味なかったから知りもしなかった。
「…夜の恋愛レベル、1ってとこだよなー……。
その割に無意識に人を惑わすことするからタチ悪い……。」
嵐は俺を呆れ返った目で見ると、溜め息混じりに言った。
「………何が?」
嵐の言葉は時々よく理解出来ない。
「おまえには一生わかんないだろうよ……。」
「………。」
そんな態度の嵐にモヤっとするものの…
「…恋の病とやらはどうすれば治るんだ?」
「………!」
自他共に認める恋愛エキスパート(つまりはタラシ)である嵐にお伺いをたててみる。
嵐はニンマリ笑うと俺にその方法を教えてくれた。
藤間夜兎(トウマヤト)17歳。
どうやら初めて《恋》をしたらしい。