子猫が初恋提供します。
「ほんと……、何にも本気になんてなったことなかったのになぁ」
「?」
あたしを見下ろしながら、夜は微かに苦笑をもらした。
遊ばれていたあたしの右手は、夜に指と指を絡ませ合うようにして両手でまたベッドに縫い止められた。
ねぇ、それって、どういう意味?
今は違うってこと?
「まだ完全にわかんなくてもいーよ。今はまだ、とにかくおまえが好きで堪んないんだって知っててくれたらそれでいー」
夜の真意をぐるぐると考えて難しい顔になっていたあたしに、それをすぐに悟った夜は意味深な笑顔で微笑んだ。
「知りたいのに…」
もどかしくて、あたしからは恨みがましい声が出ていた。
夜はそんなあたしを見下ろしながらニンマリ面白そうに笑うばかりで教えてはくれない。
「……ごほうび、欲しくない?」
「ほしい!」
我ながら単純だと思うけど、その言葉に意識は一気にそっちに向かった。
「なにっ?なにがごほうび!?」
ついついはしゃいだ声をあげるあたしに、夜がニンマリと綺麗な唇を引き上げた。
わくわく待つあたしに夜は言った。
「では、おりこうさんなにあちゃんに、ダーリンをまるごとプレゼントしちゃいまーす」
「……」
ねぇ、それ、どういう意味かな?
おめでとー。と笑う夜に、一瞬、目が点になったあたし。
「さー、そうと決まれば張り切ってご奉仕しなくちゃ♪」
「!!?」
なんて言いながら、嬉々としてあたしのワンピースの裾からスルリと手を滑り込ませる夜。
その素早いことといったら!
「なっ、ナニソレっ!!?ずっ、ずるいっ!!!」
あたしは慌ててワンピースの裾を押さえて夜のエッチな手をガードした。
「んー?だってずるいのにゃあだし。俺、ちょーガマンしてんのにー、可愛い顔して可愛いコトして俺を煽るじゃん」
「なにそれ!?」
夜の瞳が煌めいた。
いつでも正直な夜は、不適に笑うとこう言った。
「にゃあのせいなんだから、責任持ってまずはもっとちゅうさせろ」
「えっ!?…よ、っ……んっ、んん!?」