子猫が初恋提供します。
「「「キャーーーッ!!」」」
転校生が入って来た瞬間、一気にスパークしちゃった女子生徒。
そしてそれと反対にシラケる男子諸君。
そのどっちの反応もせずに、あたしは一人固まっていた。
「にあ、アイツ…!」
「っ!」
焦った声を出す蓮に肩を揺すられてやっと意識を取り戻す。
入ってきた長身の転校生。
襟足まである金に近い茶髪、精悍ではっきりした顔立ちのイケメンらしい。
髪の色までは違うけど、あたしはコイツの顔すべてに見覚えがあった。
「…転校生の荒城 軍将(アラキグンショウ)です。咲学に居たんですけど、こっちでバスケしてみたくて転校してきました。どうぞよろしく」
咲学の声にまた女の子達が沸き立つ。
言わずと知れた私立の名門校だから。
そんなとこにいて、なんでこっちに来ちゃうんだ…!
古い記憶がまざまざと蘇る。
あの夢は………予知夢だ!!
「あ、暴れ………グン…っ」
思わず口からこぼれたつぶやき。
コイツはあたしが男子から距離を置いたきっかけを作った男。
そんなヤツがあたしに目をとめた。
ニヤリ、口の端を持ち上げてそりゃあ意地悪く笑う。
「よう。チビにあ探したぞ?約束通り、逢いに来たぜ」
「!!?」
出来ることなら二度と会いたくなんかなかった…!!
あたしの思い出したくない過去。
荒城 軍将……、またの名を、
ーーーいじめっ子!《暴れん坊ショウグン》!!