子猫が初恋提供します。


「つーか、おまえこそチビにあの何なんだよっ!!?」

「チビにあ…?」


そのショウグンの声に、急に夜がピクリと反応をしめす。
あたしを抱き締めたまま、黒い瞳でショウグンを見据えた。


「俺はにあの彼氏だけど?」

「っ!!マジかよ…っ」

「マジデス」

「…っ、そんなの認めねぇぞ!!俺が何のために戻って来たと…」


ショウグンはそう言うと、ギロリとあたしを睨み付けた。

その迫力に、昔からのトラウマも混ざって、あたしはビシッと固まってしまう。

そしてショウグンはあたしを睨み付けたまま


「裏切り者!!」

「!?」


吐き捨てるようにそう言った。


「な、なんで…」


あたしはショウグンの言葉に意味もわからず混乱してた。
ショウグンがあたしを『裏切り者』って言った?
いじめられ続けたあたしが、ショウグンの何を裏切ったんだか意味がわからない。


「俺は!《あの時》おまえが…っ」

「へ…?」


《あの時》あたしが……??


「~~っ、なんでもねぇよっ!!!」


だけどショウグンはその先を言いはせずに、怒ったままそっぽを向いた。
あたしはますますわからなくて、混乱するばかりだ。

そしたら、


「あははっ!」

「!?」


それまで黙っていた夜が急に笑いだした。


「なにが可笑しいんだよ!?」


それにショウグンが凄んだ声を出して、夜を睨み付けた。


「ぜんぶ」


夜は悪びれる様子もなくサラリとそう言った。


「てめぇ…!!」


いよいよキレたショウグンが夜に掴みかかろうと手を出した。


「…俺、」

「!?」


それをなんなくかわし、夜はそれは綺麗に笑みを浮かべた。


「おまえキライだなぁ~」

「な…っ!!?」


そうして綺麗な笑顔のままで、爆弾を落としたのだった。

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