子猫が初恋提供します。
「~~!?」
それに思いっきりべぇっ!と舌を出してツンッとそっぽを向くと、振り返らずに黒板に視線を向けた。
…そしたらまたポカッ!と頭に丸めたノートの切れ端が飛んできた。
「~~っ!」
むかつくし、ちょっと乱暴にカサカサと開く。目に飛び込んできたのは、ショウグンの激しい性格を表しているような真っ赤なデカい荒々しい文字の羅列。
《おまえみたいなのには似合わない!》
「…っ」
それには振り返られなかった。
自分が子供っぽいのは知ってるもん。
ショウグンは相変わらずヤなやつだ。
おっきくなっても、あたしのコンプレックスをえぐるのがうまい。
そう言えば、このコンプレックスが染み付いたのもショウグンにからかわれまくったのが始まりだったなぁ…。
「…」
じわ…と視界が揺らいで、目の前の握り潰して僅かに覗く赤い文字が歪む。歯がゆい思いに唇を噛み締めて、こぼれそうなそれを堪えた。
ヤなやつ、ヤなやつ。
ショウグンなんて、大キライ…。