子猫が初恋提供します。




「その男、《夜》って言ったのね?」



「その人の友達が確かそう呼んでた……気がする。

…ごめんなさい、睨まないでください……っ!」



やっとやっと怒り収まった蓮にひとつひとつまた丁寧に説明していく。



蓮は、う~…んと唸ると



「どっかで聞いたことあるわねぇ…?

…ヨル…よる…、……!」



「知ってんの?」



なにやらカッと猫目を見開き、閃いたらしい蓮にきょとんとしながら聞くと



「…そいつ、頭も目玉も真っ黒な長身の男……?」



「………。」



頭も目玉もって……。



でも、確かに、そのとおり。



艶やかすぎる美貌が、あたしの脳裏に鮮やかに蘇る。



「……うん。稀に見るイケメン様だった。」



思い出して、なんでかカァ…とほっぺが熱くなった。



「藤間夜兎…!?」



「……なに?ヤト…??」



いきなり叫んだ蓮に戸惑って…聞きなれない名前に??が浮かんだ。






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