子猫が初恋提供します。




「だから…!藤間夜兎よ!!知らないのっ!?」



「………?」



トウマヤト……??



何故か興奮気味の蓮から何度聞いても、あたしに聞き覚えはない。



ぽかんとするあたしに、蓮は呆れたようなため息をついた。



「……あんた、にあだもんね。」



「………。」



ねぇ…それ、なんかひどくない?



ちょっと傷ついたあたしになんかお構い無しで、蓮はさっさと話し出す。



「この学校一の有名人……藤間夜兎。

あたしらの一年先輩、何かIQが高い天才とか…運動神経もずば抜けてて、あの長身に美貌……。

彼と初めて逢った女の子はその黒い瞳に射抜かれたらたちまち虜になるんだって、…誰でも知ってる噂。」



あたしは昨日知り合いの先輩から聞いた…そう言って蓮はあたしを探るようにじっと見つめた。



「………??」



だけど意味がわからないのできょとんです。



それを見ていた蓮はなぜか半目になって…



「おかしいわねぇ。

その先輩は、藤間夜兎ってすっっごいモテるんだけど……

かなり変わり者で、群がる女の子達を相手にしたこと一度もないって……言ってたんだけど……。

あんた、美貌にクラクラして夢でも見たんじゃない?」



「………!!?」







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