子猫が初恋提供します。
――――1時間前。
『うあー…体育館てどこだろ~…。』
入学式当日。
あたし、橘にあ(タチバナニア)は広い広い…私立楓華(フウカ)高校の敷地内で迷子だった。
『ここの生徒になるためにありえないくらい勉強したってのに……!
入学式に間に合わないなんて冗談じゃないよ~…。』
何とも情けない声を出しながら、さ迷っていた。
私立楓華高校は都内でも指折りの大きな進学校で、可愛い制服も相まって競争率の高い高校だ。
かくゆうあたしも、ここの制服を着ることに憧れまくっていて…
ありえないくらいの猛勉強の末、見事!奇跡を起こしたと言うわけ。
あぁ…それなのに、それなのに……
ドジで方向音痴な我が身が情けないぜ……。