子猫が初恋提供します。
目の前には薄紅の桜とそれを引き立て役のようにしている…艶やか黒い髪と瞳の美形顔……。
この人って…黙ってたら、本当に綺麗だ…。
思わず瞬きも忘れて見とれてしまった。
「……?なに…?にゃあ…。」
「えっ!?や…っ、な…なんでも……っ!」
あたしのぶしつけな視線に気付いたのか…夜はきょとんと首をかしげてあたしを見た。
は…っ、恥ずかしい……っ!
つい見とれてましたなんて言えない…!
「ふーん…?
…まぁ、いいけど。それより…」
「………?」
「それより、にゃあ…。嵐が言ってたんだけど…エッチてキモチイイらしいよ?…俺としよ?」
「……!!?」
はい!!
正に絶句……!!!
何言ってんだっ!?
今度はこいつ何を言ってんだっ!?
ベンチに座ったまま、ズササッ!と逃げる。
そんなあたしを追うように夜はジリジリと迫る……!
「ま、ま、ま、待って…っ!!
あたし…っ!そんな免疫まったくないんです…!!」
夜みたいにモテモテじゃないんです!!!
「……?俺もないよ?」
「へ…?」
夜はキョトンとした顔でポカンとマヌケ面のあたしを見てる…。
ない?校内一のイケメンモテ男の夜が…?
「うっそだぁっ!!」
「………。」
あたしは思わず指までさして本音を出しちゃいました……。