子猫が初恋提供します。
「最近、藤間先輩ぜんぜん来ないね?」
「やっぱり、からかわれてたんじゃない~?…先輩が誰かのモノになるわけないし。」
ここ毎日あたしに対してひそひそ囁かれるそんな声…
「…マジでウザいわね!」
「………。」
それにチッ!と舌打ちして話してる子達を睨み付ける蓮。
苛立ちを隠しもしない蓮に凄まれて、彼女達が身を竦めてこっちから視線を外した。
「あんたもくだらないやつの言ってることなんか一々気にすんじゃないわよ?」
「…うん。ありがと。」
フンと鼻を鳴らして、蓮があたしに向き直る。
キツイけど優しい蓮の言葉が嬉しくてあたしは思わず俯いた。
実際、噂なんて気にしない。
だいたい付き合ってるわけじゃないもん…あたし達。夜は別にあたしのモノなんかじゃない。
…でも、
夜が来ないのはほんと…。
あれから
もう3日も夜とまともに話をしていない。
毎日毎日あたしの教室まで来てたのに…。
嘘みたいだ。
あんなにどうしたらいいのかわからなかったのに、いざ夜の姿が見えないと
寂しいって言うか…
不安って言うか…
何でこんな気持ちになるんだろう……。