子猫が初恋提供します。
衝撃的過ぎる出逢いから数週間。
夜はあまりにすんなりとあたしの高校生活の一部になっていたようで……
夜が現れれば恥ずかしいくらいに注目されて、ちっとも穏やかな日々とは言い難いはずの毎日を過ごしているというのに……。
…そうだよ。
別に夜があたしのとこに来なくたっていいじゃん…。
夜の意味不明な恋が実はやっぱり違ってました―でも、いいじゃん…。
そしたらもー嫌ってほどの注目を浴びることもなくなるわけだし、あたしが当初に望んだ《平和な高校生活》が手に入るんでしょ?
―――それなのに
にっこり…笑った顔だとか
いたずらっぽく子供みたいな顔だとか
不適に微笑む何かを企む色っぽい顔だとか
『可愛い…にゃあ…』
優しい…声だとか。
傍にないと…寂しいなんて……。