子猫が初恋提供します。
でも、ちょっと引っ掛かる。
「こっ…恋ってのはっ……違うよ!?」
あたしは急に熱く火照り出した頬を手でパタパタと扇ぎながら、どぎまぎと蓮に向かって指をさした。
「……はぁ?」
それに蓮は心底ありえないと言いたげな声をあげると、呆れたような半目を向けて…
「今さら何言ってんのよ?」
「えっ!!?」
まさかの一言!?
「ほんと鈍いわね…。自覚もないってなんなのよ。」
「……!!!」
蓮はため息まじりにそう言った。
「基本、あんたは甘ったれなの!まぁ…あのパパに溺愛されて育ってるしね…。
にあにはあのくらいの溺愛男が合ってんでしょ。
だいたい、何とも思ってないヤツが来ないからって落ち込みやしないわよ!あそこまでくっつかれてたら普通ほっとするってのよ!」
「……!!?」
呆れたようにアホか!と言って
蓮は席を立ち上がり…振り返りもしないでお手洗いに行ってしまった。
一人残されたあたしは真っ赤な顔で勇ましく立ち去った蓮の後ろ姿を呆然と見送った……。