子猫が初恋提供します。
『なんでだ…っ?』
驚いて嵐の服にしがみついた。
嵐はいつになく真面目な顔で俺を見た。
『おまえが素直なのは知ってる。…正直過ぎるけどな…。いや、むしろ本音の塊みたいなやつなのはガキの頃からの付き合いでよく知ってる。』
嵐は腕を組み、自分の言葉に納得するかのように頷きながら言った。
『………。』
それってどんな意味だ?
微妙に疑問に思っていると、嵐は、でもな…と低い声を出した。
『…でも、時にはオブラートで包んだり…言いたいことをグッとガマンして飲み込むことも必要なんだ!!』
『……!?』
妙な迫力を醸し出しながら、生まれた時からの付き合いの幼なじみは俺の肩をガシリ!と掴んだ。
でも…っ
『俺……、…ガマン…大キライ……。』
つーか今だって十分したいことガマンしてるんだけど…?
そんな俺に対して、嵐はフ…ッと呆れたような笑みさえもらしてみせた。
『嫌われたら何にもならないぞ?
ガマンがキライで全てを許されたら…
《ストーカー》なんてもんはいないんだよ……!!!』
『………!!?』
俺は、にゃあの《ストーカー》だったのか……!!?
その衝撃は…生まれて初めて、頭を鈍器で殴られたような気持ちだった……。