子猫が初恋提供します。




か細い声に振り返れば



はらはら舞散る桜の下に



赤い目をした…俺の可愛い子猫が、制服のスカートをぎゅっと握りしめて立っていた。








夢…?



ついに禁断症状でも表れたか?



逢いたくて堪んなくて幻まで見えんのか?



なんてぐるぐる思いながら、正直ちょっと動揺していると…










「夜…あたしのこと……もーキライになっちゃったの…?」



「…え……?」



今…なんて……?



キライに…なる…?



き…嫌いになる!?



「……っ!?」







正直いよいよ動揺した。



にゃあの大きな瞳には、明らかにキラキラ涙がたまっていて…



その表情は今にも泣き出しそうだった。



「に……っ」



どういうことかさっぱりわからなくて思わず声をかけようとしたら








「夜…っ…あたしと目も合わせてくんないもん…!!」



「……!!!」






瞬間



舞散る桜より綺麗な涙が…パッ…と散った。








にゃあが…



可愛すぎることを言って、……泣いた。












なに……?










ほんと、俺の願望の夢じゃねぇの?









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