クリスマス盗難事件
「だったらそのチョコケーキとやらを出してもらおうか」
「!?」
ドアの方から声がした。
そこにいる皆は一斉に振り向く。
恵一が驚いたように声を上げた。
「お前いつからいたんだよ!」
「さっき。ちょうどシャラオが話し出した辺りからだ」
紘哉はみんなが囲んでいるテーブルへ近付く。
そして羽兎の隣に腰掛けた。
「第一、こんなもん落としていくか?」
そう言って紘哉はポケットから黒くて薄っぺらいモノをテーブルへ叩きつけた。