クリスマス盗難事件
「お待たせ!」
そこへ恵一がチョコレートケーキを持ってきた。
形は歪なものの、愛情が込められているのが分かる。
「おぉー!!」
そこにいた皆が歓声を上げる。
羽兎を除いて。
「あれ?どうしたんですか?羽兎さん」
さっきと違う様子の羽兎に恐る恐る恵一が声をかけた。
「すみません。遅いんで私家に帰ります」
「あっ!!ちょっと!」
羽兎はスクッと立ち上がると、恵一の呼び止める声を聞かずに部屋を飛び出していった。