クリスマス盗難事件

「何か用?じゃねぇよ。風邪引くぞ」

「うるさい。ほっといて」

羽兎は突き放すように言った。

周りに訪れる静寂。
ただ、川の流れる音だけが二人の耳に届いていた。

「冗談通じないんだな」

やがて紘哉がボソッと呟いた。
羽兎がピクリと反応する。

彼はポケットの中から小さな包みを取り出し、羽兎の目の前に突きつけた。

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