河童のお皿(・ゑ・)。

 ピンク色ではない

 らしい。

 「じゃあ行きたい

 な」

 電気を流されたよ

 うにギクシャク震

 え、彼は水掻きを

 ひらひらさせた。

 「では、お名前を

 うかがってもよろ

 しゅうござりまし

 ょうか」

 「名前?」

 ああ。

 「ともか」

 「ともかさん」

 弱火で湯を沸かす

 ような丁寧な発音

 で名前を呟いた。

 「ともかさん」

 魚がぴちゃんっと

 跳ねる。きぃきぃ

 きぃと頭上を翼が

 よぎる。
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