河童のお皿(・ゑ・)。

 息を吐けば、こぽ

 こぽと水の泡が地

 上へ昇っていくの

 だが呼吸に不便は

 ない。錆びた空き

 缶や小石が、時お

 り水流に舞いあが

 る。まるで超常現

 象でも見るようで

 ある。ともかには

 なんの流れも抵抗

 も感じられないか

 らだ。

 小魚が正確な列を

 なして、波紋で濁

 った水面付近を飛

 んでいく。沢蟹が

 ブーツをつつき、

 とことこ歩いてい

 く。
< 139 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop