ベンチで今日も先生と。



「訳わかんねぇ、んだけど……」



バサッ



風に煽られ、先生の白衣が舞う。

先生の顔を改めて見た。


目はそれほど大きくないけど、二重で、まつ毛も長くて、サラサラの黒髪で……


……俺、先生のこと他に知らない。



「俺、先生のこと何も知らなかった……」



「直井……ッ」



腕を引っ張られ、起こされたとき、俺は先生に抱きしめられていた。


< 23 / 27 >

この作品をシェア

pagetop