春風~HARUKAZE~
*





次の日。





僕は久しぶりの制服に腕を通した。

学校…二週間くらい行ってないなぁ…。

そんなことを思いながら、いつもの道を歩く。





ふと顔を上げると、そこには…佐々木がいた。

学校の一つ前のバス停だ。





「おはよう、長倉クンッ。」

「…おはよう…。」





思いがけなく、目の前に現れた佐々木に、僕の心は…動き始めた。





「私達が…付き合ってる時ね、朝ここで待ち合わせしてたの。久しぶりに待っててみちゃった…ッ。」

「そう、なんだ…。」





佐々木は照れながら笑っていた。

そんな佐々木を見て、僕も笑顔になる。





「長倉クン……無理して思い出さないでね??」





突然、佐々木が言った。
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