春風~HARUKAZE~
『…戻れるよね??私…周クンの心の中に…。』





そう言った、夢の中のハルカを。





…そうだ。

僕が忘れていたのは……恋する気持ち。

愛する、気持ち…。





そして今、思い出した…。





「…佐々木、話、したいんだけど…。」

「え??…うん…。」

「じゃあ…俺達、出てるよ。」

「そうね…。」





杉山と母さんが出て行って、二人だけになった。





「…俺さ、忘れてたんだろ??ごめん…。」

「ううん…。思い出して、良かった…。忘れてた間のこと、覚えてないの…??」

「うん…。」

「そっか…。良かった。」

「え??」

「あ、何でもないのッ。それで、話…??」





佐々木は慌てて首を振って、僕に聞き返した。





「あぁ…。わかったんだ、自分の気持ち…。」





佐々木への気持ちと、ハルカへの気持ち…。
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