春風~HARUKAZE~
「今まで、周があの手紙を開けてないこと、知ってた…。まだ、読んじゃ駄目だって、思ってたし。でも…今ならきっと、大丈夫。…ううん、読むべきだよ…ッ。」

「そう…なのかな??」

「そうだよッ。」





藍は、さっきとは違い、力強く言った。





そこまで言ってくれるなら……。





「…じゃあ、今日開けてみるよ。」





僕は、決意した。





ハルカの気持ちを知るために。

ハルカが僕に伝えたかったことを知るために。

きっと…全てがわかる気がする。





「…一つだけ、いい??」

「何…??」

「何が書いてあっても、受け止めるんだよ…??嬉しいことかもしれない。辛いことかもしれない。でもどれも、ハルカチャンだから…。」

「…わかったッ。」





僕は早くなる鼓動を抑え、今日の放課後を待った。
< 113 / 130 >

この作品をシェア

pagetop