春風~HARUKAZE~
*





「告白!?」

「あぁ、しようと思って…。」





杉山の急な発言に僕は思わず大声をあげた。





「告白って…誰にだよ??」

「…八神。」





杉山はやっと聞こえるような小さな声で言った。





「八神って、C組の八神梓??」





八神梓はけっこうかわいくて、男子にも女子にも人気がある。

まぁ、杉山が好きになってもおかしくないが…。





「いや、CじゃなくてD組の。八神…恵理香…。」

「えッ!!そっち!?」





八神恵理香は特にかわいいわけでも人気があるわけでもない。

話したことがないからよくわからないけれど…。





「部活ん時さ、いろいろ話して…バレーのこととか。思ってたより明るいし、いい子だな…と。」

「そっか…。」





杉山が密かに恋していたなんて…。





「で、告白…??」

「うん…。このままだと部活でしか話せないし…だから。」

「告白するときは言えよ??協力するから、さ。」

「サンキュ。長倉…。」





風は秋を運んできていた。
< 14 / 130 >

この作品をシェア

pagetop