春風~HARUKAZE~
「長倉、お前素直になれよ!!」





杉山と久しぶりに帰った時だった。





「ハルカチャン以外にも良いヤツはいっぱいいるんだぞ??」





杉山が、急にそう言い出したのだ。

 



最近、みんなが僕の恋に口出ししている気がする。

そう思って杉山に聞くと、『素直になれ』と言われたのだ。





「素直にって何だよ??」

「あーッ!!ったく本当に鈍いよな、お前は…。」





杉山はあきれたように言った。





「だから何が…。」

「佐々木だよッ!!」





…えッ??





「何で…。」





その答えに驚きつつも、杉山の言いたいことはなんとなくわかった。





「とにかく、佐々木のことも少しは考えとけよ??じゃあな。」





杉山は帰っていった。





考えとけって言われてもなぁ…。





僕だって、一応考えている。

佐々木が僕と話す時少しだけ赤くなることだって…知っている。





だけど佐々木はハルカじゃない。

いくら似ているからって好きになったら、ハルカにも佐々木にも…

…何より僕にとって良くないだろう…。
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