春風~HARUKAZE~
「佐々木ってさ…ちょっと天然、だよね??」

「えっ!?そんなことないよぉ!!」





顔を赤らめながら言う佐々木に、僕はドキッとしてしまった。





…なんか、調子狂う…。





「…あのさッ、じゃあこれも、嘘…だよね??」





佐々木は少し遠慮気味に言った。





「ん??何が??」

「うん…嘘じゃなかったら言いにくいの…。藍チャンから聞いたことなんだけど…。」

「別にいいよ。たいしたことじゃない…と思うから…。」





僕は言ってから後悔した。

藍は僕が佐々木のことを好きだ、とか言ったかもしれない。





うわッヤバイ…。





「……ッ。」

「長倉クン、ハルカって名前の子が好きだったって。」





えッ!?その、話…??





「高一のとき告って付き合ったけど、その人…ハルカサンは一ヵ月後ぐらいに…亡くなったって…。こッこんな嘘つくなんて、藍チャンもちょっとやり過ぎ…」

「…嘘じゃないよ。」

「えッ??」
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