春風~HARUKAZE~
*





「ねぇ、長倉クン告られてないって。見たっていうの、嘘だったの??」

「えー??訊いたのぉ??」

「きッ訊いたのは藍チャン…。」

「ふうん…どっちにしろ、佐々木サン気になってたんでしょ??」

「べッ別にッ!!…それより嘘、つかないでよ…。」

「はぁ??ウチらは悪くないじゃんッ。」





昼休み、お弁当を食べ終わって教室へ戻ると、佐々木が、クラスでも結構目立つ、岩本友里達と争っていた。





「おいッ。止めたほうが…。」





杉山が隣で言った。





「あッあぁ…そうだな。」





しかし、僕は岩本達とあまり話さない。

ややこしくなるのも嫌だった。

でも…。





佐々木、かわいそうじゃん…。





聞いた限りでは僕の告白について争っているようだった。





「ねぇ、佐々木サンって長倉クンのこと好きなのぉ??」

「関係ないじゃないッ!!私が言いたいのは嘘――」

「――何??謝れって言うの??」





岩本はそう言って椅子から立ち上がった。
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