春風~HARUKAZE~
あれから岩本達が何か言うことはなくなった。





佐々木は僕のことをどう思っているんだろうか…。

僕は最近、そんなことばかり考えている。





「長倉ぁ。いいかげんはっきりしろよー。」

「かわいそうだろー??佐々木がさぁ。」





友達はみんなそう言ってくる。

とくに杉山。





「なぁ、お前どう思ってんの??佐々木のこと。マジで教えろって!!」





一緒に帰るとき、必ず一回は口にするセリフ。





「だから別に何も。」





僕はいつものように答える。





「あーあ。つまんねぇのッ。」





杉山もそう言って話をやめる。

なんだかんだ言って僕の口から言うのを待っているようだ。





さすが親友…。

僕は杉山のこういう気遣いに感謝してるんだ。
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