春風~HARUKAZE~
だけど、この日は違っていた。

杉山が珍しく追求してきたのだ。





「なぁ、長倉ぁ??」

「だからー何とも思ってないって言ってんじゃん。」

「ひやかさねぇからッ。」

「ったく…どうしたんだよ??いつもはそんなにしつこくないだろ??」





僕が聞いても返事をしない。





「長倉ぁ…。」

「あーッ!!だから俺は佐々木のことなんか何とも思ってないッ!!」

「……。」





周りがシーンと静まり返った。

近くにいた人達はこっちを向いた。





「あッ…。」





杉山が僕の後ろを見てつぶやいた。





「ん??」





そう言って後ろを振り向くと、そこには気まずそうな顔をした藍と…

…泣きそうに、少し恥ずかしそうに顔を赤らめている佐々木が立っていた。
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