春風~HARUKAZE~
「長倉クンが私のこと好きじゃなくてもいいよ。こうやって追いかけてきてくれただけですっごく嬉しい。」

「佐々木、俺…」

「…今はいいのッ。」





佐々木はもう一度笑った。





「ハルカサンのこと、忘れてないんでしょ??今はハルカサンの代わりでもいい。それ以下でもいい。それでも私は…好きだからッ。」





そう言った佐々木の顔は…いつもと違って、赤くなかった。

なんだか…すがすがしい。





「少しでも長倉クンのこと知って、ハルカサンのことも知って…。いつか長倉クンが私だけを見てくれるまで、私…好きでいるからッ。」

「…ありがとう。佐々木の言うとおり、まだ…忘れられない。正直、わかんなくて…。
佐々木のことどう思ってるのか。だからもう少し、考えたい…。」





僕は、とぎれとぎれだったけど、何とか言い切った。

ドキドキしていた。

告白した佐々木より緊張していたんじゃないかってくらいに…。





「真剣に考えてくれてありがとうッ。なんか、スッキリしちゃったッ。」





そう言って佐々木は笑った。

僕もつられて笑顔になった。
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