春風~HARUKAZE~
「…周ってさ、いっつもそうだよねッ。はっきりしないでさ、本当ッ、私がどんだけ迷惑かけられているか…。」

「はッ??俺がいつ迷惑かけたって言うんだよ??」

「だから…いろいろよ、いろいろッ!!」

「何だよそれッ。そういう藍だって俺をどんだけ困らせてるか…。」

「あら、私は別に困らせてないけどぉ??」

「…なんか話ずれてるから。」





僕は笑いながら言った。





「…そうだねッ。さ・て・と。教室入んなきゃ。」

「おう。」





そう言って教室に入ろうとすると、こっちを見ていたらしい佐々木と目が合った。





「頑張ってちゃんと言うのよ??」





藍は僕の肩をポンと叩いて笑いながら言った。





「…おう。」



 

…佐々木に、言おう。





僕はそう決心した。
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