春風~HARUKAZE~
放課後――。





僕は佐々木を教室に残って待った。

今日は委員会があるからだ。





「あれッ??長倉クン…??」





佐々木が戻ってきて僕に気づいた。





「委員会、終わったんだ…??」

「うん…。長倉クンは、どうしたの??誰か待ってるとか??」

「…あぁ…佐々木を…待ってた。」

「え…!?」





佐々木は驚いたように言った。





「一緒に、帰ろうと思って…。嫌だったらいいけど…。」

「嫌じゃないよッ!!待っててッ。すぐ支度するからッ!!」

「あッ!!急がなくていい…ょ。」

「うんッ。平気!!…あッ教科書…ッ。」





どう見ても慌てている佐々木に、僕は思わず笑ってしまった。





「佐々木、慌てなくていいって!!」

「でも待たせてたし。…出来たよ!!ごめんねッ。」





佐々木はハァハァしていた。
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