春風~HARUKAZE~
*





「それでねッ、山本先生が――…」

「へぇ…。」





僕達は少しぎこちなかったけど、くだらない話を

しながら歩いていた。





『ちゃんと言うのよ??』





藍の言葉を思い出す。





ちゃんとって…何を言えばいいんだ??





「でねッ…長倉クン…??」

「…えッ!?あッゴメンッ!!」





ボーッとしていたようだ。





「いいよいいよッ。でもさ、長倉クンてよくボーッとしてるよねぇ??」





佐々木は意地悪そうに言った。





「はぁ??…なんか藍のがうつってない??別に普通だよ。」





僕はちょっとスネたふりをして言った。





「あはっ。スネたふりなんて通用しないよぉ。」

「本当に落ち込んでたらどうするんだよ??」

「わかるもんッ!!……だって、私いつも長倉クンのこと見てるんだから…ッ。」





僕達は同時に足を止めた。
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