春風~HARUKAZE~
「周には…春風がいるからッ。」





藍はそう言って近くにいた佐々木の背中を押した。





「えッ!?ちょっと藍チャンッ。」

「何よぉ。一緒に帰んなきゃでしょ??」





藍のヤツ…絶対おもしろがってる。





「何??どういうこと??全然わかんないんだけど。」





杉山が言った。





杉山には何も言ってないんだよな…。





「あのねッ春風と周、付き合ってるのよ!!」





言おうとすると藍に言われてしまった。





杉山はまだ状況が読めてないようだ。





「えっと…長倉と佐々木が…付き合ってる!?」





佐々木はコクッとうなずいた。





「えっ?でも…。」

「あー杉山ッちょっと!!…ごめん佐々木。俺、杉山と帰るから…。」

「うん。わかった…。」





杉山にはゆっくり話そうと思ってたんだ。

それなのに藍は…。





僕は一人でニヤニヤしてる藍を睨んだ。
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