春風~HARUKAZE~

繋ぐ手

ダブルデート当日…。





十時に駅前で待ち合わせということになっている。

支度をして、九時半。

緊張したまま家を出た。





*





「お、来た来たッ。」

「…おはよ。」





駅前に着くと、杉山と八神がもう来ていた。

佐々木は…まだ来てないようだ。





「長倉クン、今日はよろしくね。」





八神が言った。





「うん。よろしく。」





八神と話すのは初めてだ。





「あのね…徹が言ってたの。長倉クンが背中を押してくれたから、告白できたんだって。だから、今度は俺が手伝うんだって…。」

「恵里香ッ!!言うなって言ったじゃんッ。」

「いいじゃない、別にッ。」





杉山…そんなこと考えててくれたんだな。

本当に、杉山には感謝だよ。





「杉山、ありがとな。八神も。」

「いや…まぁ、そうゆうことだから。今日は楽しもうぜ??」

「あぁ。」





そんなことを言っていると、もう十時を過ぎていた。
< 52 / 130 >

この作品をシェア

pagetop