春風~HARUKAZE~
「…遊園地ッ!!」





突然、杉山が叫ぶ。





「遊園、地??」





僕と佐々木は同時に言った。





「そ。楽しめるだろ??」

「まぁ…。」





嫌じゃないけど…





「うん、楽しそうッ。」





…佐々木が、いいなら。





「じゃあ、行きますか。」





杉山がそう言うと、僕達は、電車に乗った。





揺れる電車の中で、佐々木が僕の腕にぶつかる。





「あ、ごめん…。」

「いや…混んでるな。」

「そうだね…。」





会話は、それだけ。

佐々木を支えようかとも思ったけれど…どうしても手が出なかった。
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