春風~HARUKAZE~
*





「じゃあ…ここからは別行動で。」





遊園地に着くと、杉山が言った。





「え??でも…。」





佐々木は不安そうに言う。





「お前、ダブルデートって言ったじゃん。だから来たのに…。」





僕は、杉山に耳打ちした。





「…お前ら、電車ん中でほとんど話してなかっただろ??この機会にいろいろ話せって。」





真面目な顔でそう言った杉山に、少し驚く。

ふと、佐々木を見るとまだ不安そうな顔で僕達を見ていた。





「ほら、頑張れッ!!」





杉山が僕の背中を押す。

八神も、『頑張ってね』と言って笑った。





「……わかった、よ。」





僕は仕方なく言った。
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