春風~HARUKAZE~
「…じゃあ…行こう、か??」





杉山たちが行ったのを確認して、佐々木に声をかけた。





「うん…。」





そう言った佐々木の顔は、何だか淋しそうだった。





それにしても、遊園地デートなんて初めてだ…。





「…何か…乗りたいのとか、ある??」

「えっと……じゃあ、アレ…??」





佐々木の指の先には、観覧車。





「…わかった。行こ…??」

「うん。」





相変わらず淋しそうな顔の佐々木が、心配になる。

何か、言ったほうがいい、よな??





「佐々木、さ…楽しくない??」

「えッ??」

「何か…淋しそう、だから…。」

「そうだったかな…。」





佐々木は、どう見ても作り笑いだ。

余計に、心配になった。





「嫌だった??今日。」





答えをドキドキしながら待つ。
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