春風~HARUKAZE~
その後僕達は、観覧車に乗って、いろいろなアトラクションにも乗って…楽しんだ。

佐々木との手は、繋がれたまま。





「すごかったぁ…ッ!!楽しかったけどッ。」

「…もうあれは…無理。」





絶叫マシーンが苦手な僕は、反対しつつも、佐々木が乗りたいというアトラクションに乗った。

さすがに、キツイ…。

でも、佐々木が笑ってくれてるから、いいんだ。





「無理、しなくて良かったのに…。」

「大丈夫。…他に乗りたいのは??」





思わず、強がってしまう。





「うーん…。もういいかなぁ。」

「じゃあ、杉山に電話する。」

「うんッ。」





最初とは全く違って笑顔で答える佐々木に、僕も笑い返した。





そして、杉山に電話をかける。





「もしもし??俺達はもういいんだけど、そっちは??」

『おぉ、ちょうど電話しようと思ってたトコ!!』

「じゃあ、どうする??」

『もうだいぶ遅くなったし、解散ってことで。』

「わかった。…おぉ、じゃあな。」





今の声だと、杉山達もきっと楽しんだのだろう。





「佐々木、解散だって。」

「じゃあ、帰ろっか。」

「そうだな…。」





自然と手を繋ぎなおして、遊園地を出た。





帰りの電車は、話が絶えない。

どうでもいいような話ばかりだったけれど…

…すごく、楽しかった。





佐々木の手が、優しかったから??

佐々木が隣にいたから??

…これで、良かったんだな。

佐々木と、付き合って…。
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