春風~HARUKAZE~
*





高校の入学式――。
 




ハルカと初めて出会って初めての恋をした。
 




「ほらッ見て!!あのコ、トップで合格したって子じゃない??えっと…そうそう、松本ハルカちゃん。」


 


藍が僕の制服を引っ張りながら言った。

向井藍は小学校からの幼なじみだ。

同じ高校に合格した。





「はぁ??なんだよ。」





僕は少しイライラしながら言った。

藍はいつもテンションが高くて、はっきり言って疲れる。

まぁ藍らしいんだけど…。





「あッ、こっち見てる。やっぱかわいいなぁ…。ねぇ、周のタイプなんじゃないのぉ??」

「ったく…わかったから。」





そう言いながらもやっぱり気になって、ハルカの方をチラッと見た。

 



確かに…。





可愛いし、藍の言うとおり僕のタイプだ。

しかし、僕は外見ではなくその優しそうな雰囲気に一目惚れした…。





松本ハルカに――。
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