春風~HARUKAZE~
適当な服に着替えて、部屋に戻った。





佐々木は、机の前に立っていた。

なんとなく…様子がおかしい。





「佐々木??…どうした??」

「あ、おかえり!!なんでもないよッ。…長倉クンの部屋、意外に片付いてるなぁって。」





佐々木は振り返って、笑顔で言った。





「そう??意外だった??」

「…うんッ。」

「失礼な…!!」

「あはは…ッ。嘘だよぉ!!」





…目が合って、お互い静かになる。

自分でも、熱くなるのがわかった。





「…ねぇ、長倉クン。」

「ん??何…??」

「……まだ…ハルカさんのこと、好き??」





『ハルカさんのこと、好き??』





どうして、すぐに言えないんだろう…。





『今は、佐々木が好きだよ??』って。





それが、嘘の気持ちだから??

いや、嘘じゃない。

佐々木のことは、好きだ…。

…じゃあ、何で…





『…まだ…ハルカさんのこと、好き??』





……好、き。

なのは、誰…??
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