春風~HARUKAZE~
「……。」

「…ご、ごめんねッ??変なこと聞いて。ダメだね、私…。それでもいいからって、言ったのにね…。」





目の前で、佐々木が笑っている。

…いや、泣いている。





「…ごめん…俺――」

「――気にしないで??ごめんね。私、帰るねッ。」

「佐々――」





言いかけた時、ドアが閉まった。

僕は…何をしているんだろう。





佐々木が好きだって、思ったはずなのに。





“佐々木だけが好き”には、なれない…。





『ハルカさんのこと、好き??』





……好き、だ。
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