春風～HARUKAZE～

放課後――。





「長倉ｸﾝ、帰ろッ??」

「あぁ。」





いつもと変わらない佐々木を見て、僕は笑いながら答えた。

…いつもと、変わらない。

昨日のことを気にしてるのは、僕だけなのかな…。





「今日、時間ある??」





佐々木が言った。





「あるよ??どっか行く??」

「うんッ。可愛い雑貨屋さん見つけたの。藍ﾁｬﾝ誘ったけどいいって言うから…。」

「あー…藍は興味なさそう…。」

「そう??…あ、長倉ｸﾝも嫌だったらいいのッ。」





佐々木は悲しそうな顔で言った。





「嫌じゃないって。暇だし。行こうぜ??」

「…ありがとうッ!!」





今度は、嬉しそうな顔。

いろんな佐々木を見る。

また…ﾊﾙｶと重なる。

最近は、なくなってたのに…あの夢のせいだ…。





「…長倉ｸﾝ……どうしたの??」

「あ…俺、またﾎﾞｰッとしてたッ??ごめんッ!!」

「うん。大丈夫だよ…ッ。」





…ごめん、佐々木。