春風~HARUKAZE~
バスに乗って着いたのは、駅だった。





「このビルの中にできたんだってー……。」

「……あ、そうなんだッ。」

「…うん…。」





このビル…。

…ハルカ達と来た、ビルだ。





「わぁ…可愛いッ。見て、長倉クン。」

「へぇ…いいじゃん。佐々木、そうゆうの好きそう。」

「えへへ。可愛いって聞いてたけど、来て良かったぁ…ッ。」

「うん。良かったなッ。」





『わぁ…!!』

『すごいって聞いてたから来たかったんだけど…。本当にすごいねッ!!』





「…ハルカ……。」

「…え??何か言った??」

「…何でも、ないよ。」





ふと、店のガラスを見た。

“誕生日プレゼントに――…”





誕生日…。

そういえば、佐々木の誕生日、知らなかった…。
< 66 / 130 >

この作品をシェア

pagetop