春風~HARUKAZE~
*





「ねぇ、これなんてどぉ??」





僕は、放課後昨日来た店に寄った。

藍をつれて。

藍は興味ないと思ってたけど…





『プレゼント選び??』

『あぁ。新しく出来た駅前ビルの店なんだけど。』

『あそこ、すっごく可愛いんでしょッ??行くッ!!』





…意外に、乗り気みたいだ。





「佐々木はこういうの好きみたいだからさぁ…。」

「うん、そうかもッ。女の子好みだよね、ここ!!」

「…藍も好きなんだ??」

「わ、悪いッ??」

「別に…。」





そんなことを言い合いながら、店を回っていく。

プレゼントなんて初めてだから、よくわからない…。

藍が頼りになるかはわからないけれど、僕よりはくわしいだろうし。





「春風かぁ…。あ、そういえば、このお店の話した時、アクセサリーが欲しいって言ってたッ…ような…。」

「それ…早く言えよッ。」

「今思い出したの!!雑誌で見たけど高くて買えないって。…買ってあげなさいよ??」





高い、か…。

でも、佐々木が喜ぶなら。





「…どんなのがいいわけ??」

「あら、本当に買ってあげるの??」

「…まぁ…。」





自分で言っておいてそんなことを言う藍に僕は少し怒り気味で答えた。





「そうねぇ…このネックレスなんて可愛いかもッ。」





藍の手には、ハートと花をモチーフにしたネックレス。

確かに、可愛いし、佐々木にも似合いそうだ。

値段を見ると…なんとか、買えそうな感じ。





「じゃあ、これにするよ。」

「うん。…春風、喜ぶよ、きっと。」

「…あぁ。」





僕達はネックレスを包んでもらって、店を出た。
< 68 / 130 >

この作品をシェア

pagetop