春風~HARUKAZE~
*





「…おじゃましまーす…。」

「今、誰もいないから…どーぞ??」

「うん…。」





自分の家なのに、自分の家じゃないような気がした。

佐々木と、二人きりだから…??





「…部屋、上がってて。飲み物持ってく。」

「うん、わかった。」





僕は、佐々木が部屋に行ったのを確認すると、適当に飲み物を持って階段を上った。





一呼吸置いてから部屋に入ると、佐々木は小さい机の横に座っていた。





「おまたせ。そこ、狭いでしょ。こっち座れば??」

「ううん。大丈夫。」





…会話が、続かない。

とりあえず、プレゼント渡さなきゃだな…。





「えっと…誕生日、おめでとう。これ…気に入るかわかんないけど…。」





僕はそう言って、包みを渡した。





「ありがとう…。開けていい??」

「うん…。」





佐々木がゆっくりと包みを開ける。

その間だけでも、ドキドキしていた。
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