春風~HARUKAZE~
部屋に戻ると、春風の様子が変だった。

…泣いて、いる??





「春風…??」





僕は静かに声をかけた。





「ハルカサン…本当に、私とそっくり…だね。」

「…え??何、言って…。」





僕は驚いた。

春風の手には、写真が…ハルカと僕が写った写真があった。

机の引き出しが、少し開いている。





「それ……。」

「…勝手に見て、ごめんね…。」





春風は、後ろを向いたまま言った。





「前に…一番最初にここに来たときに…机、少し開いてて…見ちゃったんだ。…この写真…。」





そういえば、あの時…春風は机の前に立っていた。

様子が…変だと思ったんだ。





…写真の、せいだったんだ…。
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