春風~HARUKAZE~
「私…周クンのこと、転校してすぐに好きになったの。一目惚れ、って言うのかな…。」





春風は、顔を赤くして言った。





「ハルカサンのこと知ってからね、最初はハルカサンの代わりでいいから周クンのそばにいたいって思ったの…。」

「…うん…。」

「でも…付き合ったらどんどん欲張りになって…周クンに好きになってもらいたいって、一番になりたいって思って。」





下を向いて小さな声で話す春風は、今までと違う気がした。

きっと…今までは我慢していたんだ。





「……こんなじゃ、だめだと思うんだ。だから私…周クンから離れるよ…。」

「え…ッ??」





…離れる、って??





「付き合うの、やめよう…??」





春、風…??

何でそんな…笑顔で言うんだよ…。





「でも…そんな急に…ッ。」

「急にじゃないよ…。私…本当は我が儘だよッ。これ以上、我慢できないから…ッ!!」

「…春風……そうだよな。ごめん…。」





やっぱり…我慢してたんだ。

僕が、我慢させてたんだ…。 
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