春風~HARUKAZE~
「…それでも、私は周クンが大好きだったよ…ッ??」

「…俺、も。」

「握手、していい??…思い出に。」

「…もちろん。」





僕と春風は、優しく手を握り合った。





“握手”……。





そして手を、離した。





「…ありがとう、春風。……大好きだったよッ。」





僕は大きな声で言った。

この気持ちを、全部あげたかったから。





春風はニコッと笑った。

少しずつ、離れていく…。





急に、春風は立ち止まって、振り向いた。





「……嘘ッ!!」

「え…ッ??」

「さっき言ったこと、嘘だからッ!!」





春風は、こっちに走ってくる。

そして、僕に抱きついた。
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