春風~HARUKAZE~
「我慢してたなんて、嘘だよ…。」

「春――」

「――本当は、すごく楽しかったし、嬉しかった。私、我慢なんて…してないからね??」





春風は僕から離れると、一呼吸置いて言った。





「大好きだったよ…ッ。本当に…ありがとうッ!!」





それはきっと、最高の笑顔だった。





僕も、春風も。





二回目の別れは…あたたかかった。

…春風、ありがとう…。





もうすぐ、冬が来る。





そしてまた…春がやって来るんだ。
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